にふじのブログ

わたしの「根っこ」

王様でいたい父

蕾1つだけの写真

父が帰宅する時間になるといつも緊張の連続でした。

 

帰ってくるといつもけたたましいチャイム音が家中に響いていたからです。

 

どうやら父の不機嫌スイッチは家に帰ってくると発動するようです。

 

 

チャイムを連続して押し続け、誰かが出迎えるまでそれを続ける。

 

絶対に自分で玄関を開けることはありませんでした。

 

カギが開いていても、いなくても関係ありません。

 

誰かが出迎えなくてはなりませんでした。

 

 

ですが出迎えたからといって特別何かがあるわけではありません。

 

ただ、誰かが自分のために玄関を開ける、という事にこだわってっているようでした。

 

 

そしてある特定の方にも厳しく当たっていました。

 

新聞の集金の方です。

 

今はどうか分かりませんが、私の小さい頃は各家庭を一軒ずつ集金して回っていました。

 

新聞を取っているのだから集金に来るのは当然なのですが、父や母がいない時に集金に来られることが度々ありました。

 

その時は「出直します」と言って後日来られるのですが、父はそれが気に入らなかったようです。

 

集金に来た女性に向かって怒鳴っていました。

 

「客の都合も考えずに来るな、失礼だ」

 

「来るときは電話で連絡してから来い」

 

という内容です。

 

 

それから集金に来られる時は必ず電話が入るようになりました。

 

「今からお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

そう言う女性の声は毎回違う方でした。

 

父曰く

 

「客商売なんだからこんなことは当たり前」

 

「常識がない」

 

らしいです。

 

 

今になって考えると、父がこのように振る舞うのはマウントを取れる相手に限定されていました。

 

どれだけ暴言、理不尽なことを言っても問題ない相手、自分より立場の弱い相手だった気がします。