にふじのブログ

わたしの「根っこ」

削る対象

勿忘草の花言葉「私を忘れないで」

 

兄と一緒に育っていくにつれて、気がついたことがありました。

 

私より兄の方がものを持っている。

 

小学校の5年生くらいまでお小遣いはありませんでした。

 

ですが気が付くと兄は何でも持っていました。

 

兄は両親にとって最初の子供ですから当たり前と言えば当たり前かもしれません。

  

 

 

兄は私より一つ上なので、最初は兄も私と同じ年くらいからもらっていたのかと思いました。

 

ですがそれにしてはものが多かったように思います。

 

よくよく考えれば、気がついた当初ではなくもっと小さい頃からものを持っていました。

 

ミニ四駆も何台も持っていましたし、プラモデルも漫画も、毎月500円のお小遣いでは買えない量を持っていました。

 

 

ある時兄が母にものをねだっているところを見ました。

 

母はあっさりと財布を取り出しました。

 

「あぁ、そういうことか」

 

 

私の持ち物は兄のお下がりがほとんどでした。

 

おもちゃは何でも兄が使い終わった後のもので、もちろん洋服もお下がりでした。

 

髪も短かったので兄の洋服を着るといつも男の子に間違われていました。

 

そのことに少しの不満は持っていました。

 

 

もしかしたら私もねだれば買ってもらえたのかもしれません。

 

ですがそれはしませんでした。

 

自分の家が裕福でないことは分かっていたからです。

 

 

確かに母は兄に甘いところがありました。

 

父はこの時点でも完全に私たち兄妹に無関心であるのに対し、母は兄に惜しむ、という事をしなくなっていました。

 

兄は成績も良かったですし、愛想も良く、話し上手でおもしろい子として学校の先生や親戚、近所の大人に好まれる子供でした。

 

一方、私はというとそんな兄にくっついて回っているだけのおまけでした。

 

 

母はそんな兄を自慢に思っていたのかもしれません。

 

 そして家計を預かる母としては削るところを考えたと思います。

 

 

 

 

子供でも見ているところは見ています。

 

 

私は兄との差を感じました。