にふじのブログ

わたしの「根っこ」

似たもの夫婦

鳳仙花の花言葉、短気


 私たち家族にとって父は地雷でした。

 

神経質なので怒らせないように、というのが暗黙のルールでした。

 

 

父はヘビースモーカーで、毎日タバコを2箱空けていました。

 

そのために私は学校の先生から「タバコを吸っているだろう」とよく疑われていました。

 

ですがそれは大した問題ではありません。

 

それよりも父が静かにタバコを吸っていることの方が問題でした。

 

嵐の前の静けさ、といえば分かりやすいでしょうか。

 

こういう時は父が自分の中で怒りを溜め込んでいる時でした。

 

そんな時、私たち兄妹はとにかく静かにしていました。

 

ですが母はあまり空気の読める方ではないので、あのピンと張り詰めた空気でも構わず話しかけていました。

 

内心「あーあ…」なんて思っていると案の定、怒鳴り声が響き、拳が振り上げられます。

 

 

このように父はいつでも神経を尖らせていました。

 

 

これは家の中だけでなく、他人のいないところ、例えば車の中でもそうでした。

 

 

法事で帰省する際は父の運転する車で移動していましたが、とにかく父を刺激するのを避けていました。

 

私たち兄妹はいつも後部座席に座っていましたが、ある時バックをする際に「頭を下げろ。後ろが見えない」と怒鳴られました。

 

それから私たちは後部座席と前の座席との間に体を潜り込ませてうずくまっていました。

 

 

 

ですが大人になって運転するようになってから思いました。

 

後部座席に小学生の子供が座っていたからといって、バックの邪魔にならないということに。

 

バックミラーにもほとんど映り込まないし、リアガラスも見えなくなるわけでもない。

 

 

 

父がまとっていたあのピリピリと張り詰めた空気は一体なんだったのでしょうか。

 

会社での不満だったのか、私たちに対する不満だったのか。

 

 

いずれにせよ不満があるのなら会社を辞めるなり、離婚するなりなんらかの対策はあったと思います。

 

それをせず、暴力、暴言に走ったのは父の未熟なところだと思います。

 

 

そして、もしかしたら父も母と同じように世間体を気にしていたからこそ怒りの矛先を私たちに向けていたのかもしれません。