冷めた子供
毎日のように喧嘩をしていた両親でしたが、部屋は同じ部屋を使っていました。
家は小さかったですが一軒家で、部屋数も居間を除いて三部屋ありました。
小さい頃は家族で一緒に寝ていましたが、確か小学校の三年生頃になると私たち兄妹にはそれぞれ部屋が与えられました。
私にとってはうれしい事でしたが、不思議なことでもありました。
三部屋あるのだから喧嘩をするくらいなら両親が別々の部屋に居ればいいのにと思っていました。
そんな母は父との喧嘩が終わった後、私の布団に潜り込んできて泣くようになりました。
私はそれがとても鬱陶しかった。
布団に入ってくるのは決まって私の方でした。
なぜ可愛がっている兄の方へ行かないのか不思議でした。
普段は見向きもしないのに都合のいい事だと子供ながらに思っていました。
私は暴行を受ける母に同情する心なんて全くないほど冷めた子供になっていました。