にふじのブログ

わたしの「根っこ」

兄と私の違い

花言葉|私を忘れないでください

 

母には「男の子を産んだ」というプライドがありました。

 

母の出自は九州の田舎で、本当に山奥でした。

 

8人兄弟の末っ子で母の兄弟のほとんどが結婚し、授かった子供たちは皆女の子でした。

 

そんな中、母だけが唯一男児である兄を産みました。

 

母はそのことを誇りに思っているようでした。

 

 

ですが私にはその事がよく理解できませんでした。

 

母の実家は確かに田舎でしたが、特に閉鎖的な空気も、女系の家系であることに否定的な空気も感じませんでした。

 

確かに親戚からは

 

「結局男の子はお前(母)のところだけだったなぁ」

 

「跡継ぎができて良かったなぁ」

 

なんて言われていましたが、そこに特別深い意味を感じる事はありませんでした。

 

ですがそう言われる母はやはり嬉しそうでした。

 

 

母にとって兄は最初の子供ですし、母なりにきちんとしようと考えたのかもしれません。

 

地域の子供会にも参加させていましたし、習い事も積極的にさせていました。

 

 

子供会という集まりがどういう所なのかよく分かりません。

 

確か地域でお祭りなどの行事があるときに、参加する子供たちがお神輿を担いだりしていたように記憶しています。

 

このように曖昧なことしか言えないのは私がその子供会に入っていなかったからです。

 

一緒に遊んでいた子達も参加していました。

 

私も母に頼んだ事がありましたが

 

「お兄ちゃんが入っているから、(私は)入らなくていい」

 

とのことでした。

 

お祭りの時期が近づいてくると、私は兄たちが準備のために公民館に入っていくのを見ているだけでした。

 

 

 

ただ、習い事は1つだけさせてもらえました。

 

個人で書道教室を開いた先生が

 

「娘さんも一緒にどうですか」

 

と言ってくれたようです。

 

私の家の事情は知らなかったと思います。

 

ただの勧誘だったのかもしれません。

 

それでも兄と同じ習い事ができることが嬉しかったです。