にふじのブログ

わたしの「根っこ」

雛人形

紫のクロッカスの花言葉|愛の後悔

 

私の家には五月人形がありました。

 

ケースに入れられた人形は兜と鎧を身につけてポーズを取っていました。

 

相場がどれくらいのものかは分かりませんが多分普通の価格だと思います。

 

 

それから鯉のぼりもありました。

 

小さなものではなくて、本当に風にたなびかせるくらいのものでした。

 

一軒家だったので鯉のぼりを設置するスペースはありました。

 

 

 

私はまだ幼かったですが、幼稚園や学校に行っていたので節句のことはわかっていました。

 

どちらも男の子の節句で飾るものです。

 

ですが私の家に端午の節句は来ても桃の節句は来ませんでした。

 

子供ながらに不満はありました。

 

私だけがない。

 

雛人形をねだったこともありましたが、返事はいつもそっけないものでした。

 

だからと言って、そのことを誰かに話したりすることはありませんでした。

 

話す相手もいないし、話したところでどうにもならない事です。

 

 

いつの歳の事だったかお隣の奥さんから雛人形をいただきました。

 

男雛と女雛が対になっているものでした。

 

子供の両手に乗るくらいの大きさで素焼きの土に着色された人形です。

 

譲ってくれたのか、もしかしたら買ってくれていたのか、それはわかりません。

 

 

 

ですが、私はその雛人形をひな祭りの日に地面に叩きつけて割りました。

 

何がきっかけだったのか。

 

何を思ったのか。

 

思い出せません。

 

ですが怒っていたことだけは覚えています。

 

衝動的だったのも覚えています。

 

お隣の奥さんがこのことを知ったのかどうかは分かりません。

 

奥さんはその後もいつも通り接してくれていました。

 

 

 

私はこうして人の好意を無下にする子供でした。